極寒の中、鹿とともに白鳥山を駆けずり回った次の日、熊本県人吉で畜産農家を営むお宅に民泊させてもらった。
毎度、地方の民泊・農泊を探すにあたって少し難点なのが、「今も民泊を受け入れているのか連絡しないとわからない」ところ。ホームページの情報が古かったり、民泊先のお宅が事情により受け入れ体制ではない場合もあるため、注意が必要。これが不便に思うのはネット予約に慣れすぎてるせいもあるかも。しかも、対お店ではなく、対個人であるため選ぶ際の見極めはかなり重要で、もちろんネットの口コミもない。(宿泊先による)「まさか泊まりたい人が来るとは思わなかった」的なニュアンスでOKしてくれるところはあるが、断られたことは一度もないけどね。
電話口で今回泊まる宿の宿泊の予約を取る際も、宿主さんの声に多少の驚きの色が混じっていたが、快く宿泊OKしてくれた。
いつもたけのこ掘りやら○○作り体験もさせてもらうのだが、今回は何もお願いせず。飼育されている牛を見たり、宿主さんが飼ってる柴犬と遊んだり、お昼寝したり自由に過ごした。
眉毛がとってもキュートなこの柴犬。可愛いだけでなくある一芸を持っていた。
前足で器用に呼び鈴を鳴らすことができるのだ!
主さんが餌を持って「ほら、チンして。チン。チン、チンチンチンって」とチンを何度も連呼すると前足で上手に呼び鈴を鳴らした。なんとかしこい〜。何度も言うとちょっとセンシティブに聞こえるが、笑うと変な空気になるので笑わなかった。
こちらで飼育されている牛が人懐こくて、私が動く方動く方ずっとついてくる。この子牛だけじゃなくて全牛がついてくるので教祖にでもなった気分であった。
とっても寒い日だったので、暖かい部屋の中でお昼寝。昨日の山登りの疲れもあって、しっかり眠ってしまった。旅行中のお昼寝って贅沢だよね。
夕食の時間になり、隣の小屋に案内されるとそこには焼肉セットが!しかも電球でいい感じに飾り付けられていてめっちゃテンション上がった。
お肉も野菜もお腹いっぱいになるまで食べた。ご飯がすすみすぎてお米も何度もおかわりさせてもらった。
こんなにもてなしていただくと思わず、感謝…。
農家民泊をするときは、もてなされる前提ではないし、言ってしまえば知らない人の家に泊まるわけだから多少の緊張感はずっとある。けれどどこの民泊もご飯が美味しくて、特色もさまざまなところがいつもワクワクする。
✏︎メモ
・焼肉のタレがすごく美味しかった!(韓国語で書いてあるやつ。どこに売ってるんだろう)
・ここ人吉で作られている焼酎「繊月」がとっても飲みやすい!私の好きな緑茶割りで飲んだらすごく美味しくてリピ確◎
宿主さんのお子さんは家を離れて関東に住んでいるそうで、若い子はやっぱり都会に流れちゃうんだな〜としみじみ思った。この家の畜産業を継ぐ人もいないそう。田舎から都会に人が流れ込み、その土地を支えてきた産業や伝統、文化が失われつつあるという話を聞くのはやっぱり寂しい。
農家民泊を通して、この穏やかな時間の流れかたは田舎でしか味わえない良さを感じている。自然豊かな場所に自分の土地を持って自由に暮らす生活に少しずつ憧れを抱きつつある。