月の土

植物が育つ土にしたい。主に登山・植物の雑記とイラスト

こんにゃく作り体験【農家民泊】

今回お世話になったのは、宮崎県にあるホームステイ型のお宿。一泊させてもらうのと、泊まる日にこんにゃく作り体験をお願いしている。こんにゃくって何でできてて、どうやって作るのかさっぱり知らなかった。宿に着く前に、どうやって作るのか予想を議論させる。私は、ジャガイモの澱粉を使って固めるんじゃないかという予想。友達の予想はなんだったかな、忘れた。

田んぼの稲を横目に車を進ませると、お父さんがこんにゃく作りの準備をしていた。大きな釜でお湯を沸かしている。家の軒先には干し柿がずらりと吊るしてあり、干し椎茸もコロコロと並んでいた。一人暮らしが長いと思うのだが、誰かに出迎えてもらうのはとっても嬉しい。人の家に泊まるんだから、出迎えてもらうのはそりゃそうなんだけどね。

 

家の中からお母さんが出てきた。元気なおしゃべりお母さんに早速こんにゃくづくりを教えてもらう。すでに日がもう傾いてきている。

 

 

--こんにゃくいもの登場

私が予想していたのはジャガイモ(の澱粉)だったが、こんにゃくに使われるのはこの「こんにゃくいも」が正解。

その名の通りこんにゃくになる芋。こんにゃくの灰色とはかけ離れた土色をしているが本当にコレがこんにゃくになるの?と思っていると、この土色のスキンは剥いてしまうのだそう。コレは皮で、剥きやすくするために私たちが来る前から1時間ほどゆがいてくれていたのだ。本当はもっと下準備から時間がかかるんだ、と心に刻む。

こんにゃく芋は直接触ると痒くなるからとゴム手袋を貸してくれた。なんせ触ったことがないので、自分の肌が痒くなるのかわからないが一応貸してもらった。こんにゃく芋がこんにゃくになって、食べる時には痒くならないのになー。確か山芋も、するとき痒くなった気がする。

 

--こんにゃくいもをミキサーにかけてドロドロにする

こんにゃく芋の皮を剥いたら、それを撹拌していく。ミキサーに芋(適量)と水(適量)を入れて適当な滑らかさになるまで撹拌する。ここの感覚は完全にお母さんの長年培った感スタイル。

 

--あく汁

お芋をドロドロに変化させたところで、見ず知らずの調味料が出てきた!「あく汁」と言うらしい。

透き通ったオレンジ色で、他の調味料で言うとごま油に似た色をしている。これをドロドロのこんにゃく芋と混ぜ合わせると、だんだん固まっていく。聞くところによるとあく汁は竹などを燃やして出た灰を水に浸した時に出る上澄みなのだそう。灰が食材へ使われるなど想像もしえなかった。現代のガスコンロやIHとは違って昔は薪で火を起こしていたため、今よりもずっと灰が身近にあったためにできたものなのかもしれない。

 

--混ぜる

あく汁を入れたら、程よい硬さになるまで混ぜていく。おそよ20分、一人10分ずつ交代で混ぜた。

はじめトロトロ

ねんどマシマシ

混ぜるほどにだんだん硬さが増していくのがわかる。ゴム手袋越しの感触は、小学校の夏休みに体育館で行われる化学実験教室で作ったスライムが日に日に硬くなっていった、あの感じ。こんにゃく独特のあの匂いもし始めた。ここでやっと自分の中のイメージと合致した。嗅覚って優秀だね。

 

--型取り

硬さ具合OKもらったら型取りする。スーパーで見るこんにゃくのイメージは大体平たい長方形だ。今回は自分の好きな形にしていいと言うので、各々のしたいように作ってみた。



星とか、ドーナッツ型、自分のイニシャル入り、アンパンマン

 

超笑顔

 

--茹でる

形を作ったらポイポイと大釜の中に入れて茹でていく。

かっこ悪い形ばっかりだけど、出来上がっていく様を見ているとワクワク感でいっぱいになった。作ったアンパンマンが浮き上がってきた時はおかしかった。水に弱いはずなのに大釜でグラグラ煮詰められている。笑

茹で上がったこんにゃくは、今日の夕食に出してくれるそう!!出来立てのこんにゃくをいただけることなんて滅多にないから超楽しみ!

 

 

--出来上がり

おすすめの食べ方、刺身こんにゃくでいただく。こんにゃくの臭みがなくて、食べやすい。空気感を感じるしゅわしゅわと言う噛み心地。そしてお母さんお手製の柚がらしの香りが口いっぱいに広がってめーっちゃ美味しい。ほんと、めっちゃ。

そのほかにも、地元で採れた野菜や魚を使った料理、宮崎の郷土料も作っていただき心温まる夕食になった。本当に美味しかった…。

 

 

スーパーで見かけることのないこんにゃく芋でいちからこんにゃく作りはお家で手軽に作れるものではない。もし、もし見かけることがあれば素通りするようなことはないだろう。私はこの茶色いゴツゴツしたお芋が何になるか知っちゃったからね。

 

 

tsukinonono.hateblo.jp